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手が届くamerican claveについて、もうちょっと。

 

今夜も american clave の時間です〜♪

放送期間はもうすこし。 2014年4月23日(17:00)まで!!

 

JJazz.Net_special

 

『菊地さんが「american claveが実はドキュメンタリー映画であって音楽でない」と言ってた意味が大塚さんのMIXを聴いて理解出来ました。』
そんなコメントを先日いただきました。うれしかったし
あらめてこのレーベルについて思うことが多く
そして、もうちょっと接していたくて
加筆してみることにします。

振り返ると、初作Jerry Gonzalezから近年作まで、このレーベルに接してきた結果、そのインテリジェンスな世界観とそれに現実が噛み合ない自分とのギャップにもどかしかったし、だから躍起になっていたことは否めません。
ぜんぶ自分のものにしようと思うと、本当に現実逃避でもしないとやっていけない。american claveらしい”夜”の時間は現実的にはそんなにあるものではなくて。音とあわせてすべてのライナーノーツ、関連冊子やOUT THERE!の高見さんのレポートも読めば読むほど、文学、文化社会、政治情勢、その関連性は高域で、自分の中で消化できる者だけが、このクラーヴェを好きだと言えるような、都会の痛烈な視線を目の当たりにして、辛かった。

そんななか、なんとか、はじめてこのレーベルを知る人にも
「手が届く american clave」を目指して、ひとつの形にした訳ですが、

2007年作品、『beautiful scars』の菊地成孔さんのライナーによって一気に自分との折り合いがつきました。

「・・・2007年のbeautiful scarsは、すでにニューヨーカーでなくなったキップがニューヨークで制作した物だ。そのことの意味は音を通じて伝わってくる。距離感と悲しみの質がはっきりと変わっている。それは過去にそこに(強く強く)居た者が、(再び強く強く)外からやってきて作ったサウンドであって、そうしなければ生まれ得なかったサウンドだ。
・・・アメリカンクラーヴェは、インテリに喜ばれ過ぎたと僕は思っている。そして同時にそのことによって、少なくとも日本に於いては可能な限り最高の成功を収めたと思っているけれども、その成功はキップを強く拘束した筈だ。キップが恍惚としながら受けた拘束は、筋肉疲労に似ている。
・・・キップの素晴らしい詩性は奇跡的といっていいレヴェルで全く音楽化されていない。凄まじい濃密な空気感が湛えらまま、ほとんど何も作曲されていないのである。僕はあれば総て街の音だと思う。

・・・ここ(beautiful scarsの作品)にあるのは、何も知らないそこらの少女に直接伝わる、音楽の力なのだ。だまっていても、カフェで流れ、ラジオで流れるだろう。キップはこの数年間で、そういう音楽の聴き方を初めてしたのだ。それまではそういう風には音楽をきいていなかったのである。
そんなに美しく痛々しい疵があるだろうか。こんなに音楽的で悲痛な疵があるだろうか。」

beautiful scars  美しい疵

この作品に収録されている。
Real Time And Beautiful Scars
がMIX のラスト曲です。

だまっていても、ラジオで流れる
何も知らないそこらの少女に直接伝わる美しい曲だとおもいます。

恍惚として聴き入ったこのレーベルを、
ラジオで流れるものとして
機会を作れて本当によかったと、心底おもっています。
ご協力いただいた皆様本当にありがとうございます!

さらに次の機会にむけて!

JJazz.Net特別企画「american clave Mixed By Hiroko Otsuka」
N.Y.生まれの鬼才、キップ・ハンラハンが主宰するレーベル「american clave」の音源をジャズDJ大塚広子が選曲&MIX。都会の夜を演出する官能的でストイックなサウンドをお楽しみ下さい。
選曲/MIX:大塚広子

放送期間:2014年3月26日~2014年4月23日(17:00)
http://www.jjazz.net/programs/jazz-clock-night/index.php

 

ディスクユニオンとのタイアップ特集 以下もぜひご覧下さい!

http://diskunion.net/sp/jazz/news/article/1/43389

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おさらいは

毎月20日更新のこちらで ぜひ!

http://www.navi-bura.com/special/j-jazz_1404G.php

スクリーンショット 2014-04-22 2.58.08

 

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